2015年11月11日水曜日

よく生きる通信Vol.19 「何かを手放さなければ、何も手に入らない」


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         よく生きる通信 vol.19
           201511月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

私が住む神奈川県の藤野でもきれいな紅葉が広がりつつありますが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、「よく生きるコラム」の中でも触れますが、この度、2000
7月の創立以来その経営に関わってきたCTIジャパン(現・ウエイク
アップ)から「卒業」することになりました。心機一転、今後はまた
新たな人生の展開に心を開いていきたいと思います。

では、「よく生きる通信」Vol.19をお届けします。ぜひお目通し
ください

今号のContents

1.よく生きるコラム:「何かを手放さなければ、何も手に入らない」
2.よく生きるインフォメーション:
11/21-23 福島ラーニング・ジャーニー2015(福島各地)
12/15  夕学五十講(東京・大手町)
12/19-20  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
2016/3/12-13 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
2016/4/15-17  アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
2016/4/22-5/6  よく生きるツアー(イギリス)
3.よく生きるリソース:「暗闇から世界が変わる」
志村真介著(講談社現代新書)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「何かを手放さなければ、何も手に入らない」

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最近、私はある大きな決断をしました。それは、2000年の7月に
創立して以来、その経営に関わってきたCTIジャパン(昨年から
社名がウエイクアップに変更になりました)から「卒業」する
というものです。ここで卒業というのは、単に経営をしなくなる
というだけでなく、所有していた株式をすべて手放し、完全に
フリーになるということを意味しています。これまで、私は数々
の大きな決断をしてきましたが、今回の決断はおそらくその中でも
「最大級」にあたるものだと思います。

実際には、3年前にCTIジャパンのCEOを退任してからは、経営
の現場には携わっておらず、そういう意味では大きな変化はないの
ですが、とはいえ、株主として会社の事業の最終責任を負っている
わけで、その行く末にはつねに大いなる意を注いできました。それ
を手放すというのは、さすがに勇気のいることで、ここに至るまで
に何度も「本当にこれでいいのか?」と自問してきました。こういう
時、頭はいろいろな理屈をつけて抵抗します。たとえば、「自分が
苦労して築き上げたものをそんなに簡単に手放してしまっていいの
か?」とか、「もし自分がいなくなって回らなくなったらどうする
んだ?」とか、「将来、自分に何かあった時に会社を持っていた方が
安心ではないか?」などです。

しかし、これらの声はすべて恐れから何かにしがみつこうとする
とらわれの声です。それら頭の声の奥にある心の声にじっと耳を
澄ませてみると、このタイミングで会社を手放すことが、自分に
とっても会社にとっても、もっとも自然なことであるように思えた
のです。タイミングという意味では、昨年50歳になり、ともすると
守りに入りたくなる年齢にさしかかったところで、あえて初心に
立ち返り、これまでの延長線上ではない新しいことにチャレンジ
していきたいという気持ちが強くなっていたことも背景にありま
した。そもそも、今自分がやっていることのすべてが、心の声に
したがってその都度何かを手放してきたからこそ見出せたもので
あり、それをやめて守りに入ったら自分が自分でなくなるような
気がしたのです。

ここで私が「手放す」と言っているのは、お金とか地位とか会社
とか、目に見えるもののことだけを指しているわけではありません。
むしろ、それよりもそういうものがなければやっていけないという
目に見えない思い込みのことを指しています。私たちは多かれ
少なかれ、自分の可能性を限定するような「古い物語」を抱えて
いますが、自分の人生に新たな可能性を拓こうと思ったら、そう
した物語を手放していかなければなりません。これは、ちょうど
空中ブランコにつかまっている人が向こうからやってくるもう一つ
のブランコをつかむためには、それまでつかんでいたブランコを
手放さなければならないのに似ています。

人生とは「器」のようなもので、その中にいろいろなものが詰まっ
ていれば、何も新しいものは入ってきません。そこにどんなものが
入ってくるかわからないまま、とにかくスペースを空けて待つ。
これが手放した状態です。何が入ってくるかにこだわっていたら、
それは本当の意味で手放していることにはなりません。「一寸先は
闇」と言いますが、その闇にはたくさんの可能性が宿っています。
闇というと、あたかも何か良くないことが待ち受けているような
印象を受けてしまいがちですが、それは見えないというだけであっ
て、何も恐れるべきものではないのです。

さて、この闇の向こうに何が待ち受けているのか、今は楽しみで
仕方ありません。
(榎本 英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】<残席わずか!>
・日程:1219日(土)・20日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000
・定員:18
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304933/

【天職創造セミナー】
・日程:2016312日(土)・13日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000
・定員:18
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340746/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】<NEW!
・日程:2016415日(金)~17日(日)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円(早割特典あり) 
・定員:24
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340987/

 

【よく生きるツアー2016@イギリス】<NEW!>
・日程:2016422日(金)~56日(金)
・会場:イギリスのフィンドホーン、トットネス
・参加費:390,000円(イギリス国内のプログラム参加費・交通費・
宿泊費・食費をすべて含む。早割特典あり)
・定員:18
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/352767/

<<よく生きる研究所共催もしくは榎本が登壇するイベント>>

【福島ラーニング・ジャーニー2015】<残席わずか!>
・日程:1121日(日)~23日(月・祝)
・会場:福島各地(飯館村、南相馬市、田村市など)
・主催:東北ラーニング・ジャーニー実行委員会
・参加費:53,000円(学生の方は40,000円)
・定員:20
・詳細・お申し込み:http://bit.ly/1GcR2HZ

【夕学五十講~自分も世界も幸せにする生き方~】
・日程:1215日(火)18:3020:30
・会場:東京・大手町 丸ビル7階 丸ビルホール
・主催:慶應丸の内シティキャンパス
・参加費:5,400
・詳細・お申し込み:https://www.sekigaku.net/

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3.よく生きるリソース 「暗闇から世界が変わる」
 (志村真介著 講談社現代新書)

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皆さんは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下、DID)」という
イベントをご存知でしょうか?直訳すると「暗闇の中の対話」となる
このイベントはドイツ人の哲学者アンドレアス・ハイネッケ博士が
発案したもので、一筋の光もない絶対的な暗さの中を視覚障がいを
持つアテンドと呼ばれる人に導かれながらいろいろな体験と対話を
通して深い気づきが得られるソーシャルエンターテインメントです。

日本では、この本の著者である志村真介さんが1999年から開催されて
いて、最初は短期の単発開催だったのが、2009年からは外苑前にある
会場での常設開催が実現し、これまで約16万人の人が体験されたそう
です。私は志村さんの奥様で、現在DIDの運営組織であるダイアログ・
イン・ザ・ダーク・ジャパンの理事を務めている志村季世恵さんと
20年来親しくさせていただいている関係でずっと前からお誘いいただ
いていながら、なかなか参加する機会がなかったのですが、つい先日
ようやく念願かなって初めて体験させていただきました。

「暗闇」というと「こわいもの」というイメージを持っている人が
多いと思いますが、実際に体験してみると、意外や意外、ぬくもりと
刺激にあふれた心地よい空間でした。それは、アテンドの人や一緒に
暗闇を体験したユニットと呼ばれる8人ほどのグループがいたから
というのもありますが、私にとっては「先が見えない状況にただ身を
委ねる」という何かを手放した感覚が今回のコラムでも取り上げた
ように今の自分が置かれた状況にとても近いものがあり、しかも
それは「こわい」というよりも「次に何が起こるんだろう?」と
ワクワクするような感覚があったからだと思います。

本書を読んでいると、著者の志村さんがDIDを日本に持ち込み、
拡げていく過程で、ご自身の信念を貫くために、たくさんのものを
手放してきたことがつぶさに伝わってきます。それは、たとえば
アテンドを務める視覚障がいを持つ人たちとの関わり1つとっても、
それまでの固定観念を手放し、彼らと対等な関係をつくってきた
といったことに表れています。社会起業家としての生き方・働き方
という観点からも非常に示唆に富む1冊だと思います。

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4.編集後記

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「よく生きるインフォメーション」に書きましたが、今年7月に
初めて開催し大好評だった「よく生きるツアー@イギリス」を来年
4月に再び開催することが決まりました!

このツアーでは私がかつてそれまでの立場を手放し、新しい何か
を見出そうとしていた時期に約2年半を過ごしたフィンドホーン
というエコビレッジとそこで結果的に見出したトランジション・
タウンという市民運動の発祥の地であるトットネスを巡りながら、
「よく生きる」ということについてじっくり考えることを目的と
した2週間のツアーです。

ご興味のある方は説明会も開催しますので、ぜひご参加いただけ
ればと思います♪

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
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